個人事業主にホームページは必要?
SNSやGoogleマップの「受け皿」として考える

ひとりで事業をされている方から、「ホームページは必要でしょうか」とよく聞かれます。SNSもGoogleマップもある今、あらためて自分のサイトを持つ意味はどこにあるのか。このページでは、ホームページを「知ってもらった後の受け皿」という視点で整理します。あわせて、いまは作らなくてよいと思われる場合についても、正直にお伝えします。

読了時間:約8分

このページの結論

個人事業主のホームページは、「見つけてもらうための場所」ではなく「見つけた人が、もう少し知りたくなったときの受け皿」として考えると、必要かどうかを判断しやすくなります。

いまのお客さんは、GoogleマップやSNS、人からの紹介であなたを知ります。そこで興味を持った人が次にすることは、たいてい「もう少し詳しく調べる」です。そのときに情報がまとまった場所がなければ、判断の材料がないまま検討が止まってしまうことがあります。

  • 料金・営業時間・場所など、変わらない情報を置いておける
  • SNSのように流れていかない
  • 取引先や金融機関が調べたときに、事業の実体が伝わる

特にこれから開業される方は、実績も紹介のつながりもこれからです。信用を積み上げていく段階だからこそ、調べられたときに事業の内容が伝わる場所を、開業準備の一つとして用意しておくことをおすすめします。

一方で、紹介だけで手一杯の方や、SNSで完結していて不便を感じていない方には、いま無理に作る必要はないと考えています。

1. お客さんは、どこであなたを知るか

個人事業主の方が新しいお客さんと出会うきっかけは、だいたい次のどれかです。

  • 既存のお客さんや知人からの紹介
  • Googleマップや検索で見つけてもらう
  • InstagramやXなどのSNSの投稿を見てもらう
  • 名刺やチラシを渡す

ここで大事なのは、「知ってもらう」と「選んでもらう」は別の段階だということです。紹介で名前を聞いた人も、マップで見かけた人も、その場ですぐ依頼を決めるわけではありません。多くの場合、いったん自分で調べます。

「どんなことをしてくれる人なのか」「いくらぐらいかかるのか」「どこにいる人なのか」「本当に事業としてやっているのか」——こうしたことを確認して、はじめて問い合わせるかどうかを決めます。

このときに情報がまとまって置いてある場所が、ホームページです。和良屋では、これを「受け皿」と呼んでいます。検索で新しく見つけてもらうためというより、すでに関心を持ってくれた人が、次に進むかどうかを判断するための場所という位置づけです。

念のため申し添えると、ホームページを公開しただけで、検索から自動的に新しいお客さんが増えるわけではありません。このページでお話ししているのは、Googleマップ・SNS・紹介などですでにあなたを知った人が、詳しく確認する場所としてのホームページです。

図:知ってもらってから、依頼されるまで

1. 知ってもらう

紹介・Googleマップ・SNS・名刺

2. 調べて、判断する = ここが「受け皿」

次の3つが確認できると、問い合わせるかどうかを決めやすくなります。

  • 何をしてくれるか事業内容・対応できる範囲
  • いくらぐらいか料金の目安・考え方
  • どんな人か所在地・連絡先・事業者情報

3. 問い合わせる

2. 受け皿がないと、何が起きるか

ホームページを持たない場合、その役割はSNSやGoogleマップが兼ねることになります。実際、それで足りている方もいます。ただ、いくつか構造的に難しい部分があります。

投稿は流れていく

SNSは新しい投稿が上に積まれていく仕組みです。料金表や施術メニュー、営業時間といった変わらない情報ほど、下に流れて見つけにくくなります。プロフィール欄に書ける文字数にも限りがあります。「前に載っていたはずの料金が見つからない」という状態は、調べている人にとってはそこで検討が止まる理由になります。

アカウントは自分のものではない

SNSはプラットフォーム上のサービスなので、仕様変更や利用条件の影響を受けます。これまで積み上げた情報を、同じ形で使い続けられるとは限りません。自分のドメインで持っているホームページは、その点が違います。

調べても何も出てこない、という状態

相手が個人ではなく、取引先の会社や、金融機関、行政の担当者ということもあります。事業として付き合う相手を調べたときに、SNSアカウントしか出てこない場合と、事業内容と連絡先が整理されたページがある場合とでは、受け取られ方が変わってきます。

これは「ホームページがあれば信用される」という話ではありません。相手が確認したいと思ったときに、確認できる場所があるかどうかという違いです。

これから開業する方は、準備のうちに入れておきたい

すでに事業をされている方より、これから開業する方にこそ、受け皿は必要だと考えています。

開業したばかりのころは、まだ実績も紹介のつながりもありません。その状態で誰かがあなたのことを知ったとき、判断の材料になるものが何もない、という状況になりがちです。いまは、直接・間接を問わず、多くの方がWebで事業者のことを調べます。調べられたときに何も出てこなければ、相手が判断するための材料が少ない状態になります。

物件や什器、名刺やチラシと同じように、開業準備の一つとして受け皿を用意しておく——そう考えていただくとよいと思います。開業前後に整えておきたいことは、開業直後のWeb準備ガイドでも整理しています。

3. ただし、いま作らなくてよい方もいます

ここまで受け皿の話をしてきましたが、すべての個人事業主にホームページが必要だとは考えていません。次のような場合は、いま急いで作らなくてよいと思います。

紹介だけで手一杯になっている

いまの仕事量で十分で、これ以上引き受けられないという状態なら、新しい問い合わせを受ける目的であれば、急いで作る優先度は下がります。(ただしホームページには、説明の手間を減らす、取引先に情報を見てもらう、といった役割もあります)

SNSで完結していて、不便を感じていない

SNSからの依頼で回っていて、料金や内容の説明もそこで足りているなら、いまの形が機能しているということです。「流れていく」「アカウントが自分のものではない」という弱点はありますが、それが実際に困りごとになっていないのなら、無理に変える必要はありません。

検索される機会が少ない事業

取引先が固定されていて新規開拓をしない場合や、下請けとして受注が安定している場合など、誰かが検索してあなたを探す場面が少ない事業もあります。この場合、受け皿を用意しても、使われる場面は限られます。

逆に言えば、「いまは要らないけれど、将来これが変わるかもしれない」という視点は持っておくとよいかもしれません。紹介が細ってきたとき、SNSの調子が変わったとき、新しい取引先と話を始めるとき——そういう場面が来たら、あらためて考えるので十分だと思います。

4. 作り方は大きく3つ。費用と手間のちがい

作ると決めた場合、方法は大きく3つに分かれます。どれが正解ということはなく、費用と手間のバランスで選ぶことになります。

図:3つの作り方

WordPressなどで自分で構築する

費用サーバー代・ドメイン代が中心

手間大きい(設定・文章・写真すべて)

向く方時間が取れる/自分で覚えたい

ホームページ作成サービスを使う

費用プランの利用料(無料から試せるものもあります)

手間中くらい

向く方自分で更新したい/まず試したい

制作会社・フリーランスへ依頼する

費用制作費がかかる

手間小さい(原稿と写真の準備が中心)

向く方本業に時間を使いたい

※ 作成サービスの無料プランは、広告が表示されたり、独自ドメインが使えなかったりといった制約が出ることがあります。

自分で構築する場合、費用そのものは抑えられます。ただ、文章を考え、写真を用意し、レイアウトを整える時間が必要です。事業を回しながらだと、思っていたより進まないという声はよく聞きます。逆に、その作業自体が苦にならない方や、時間に余裕がある時期なら、自作は十分現実的な選択肢です。

また、費用と手間だけでなく、どのくらい自分で更新したいか、どんな機能が必要か(ブログを書くか、ネット予約が要るか、1ページで足りるか)によっても、選び方は変わります。

どの方法が自分に合うかは、いまの状況によって変わります。作り方ごとの違いについては、WordPressと静的サイトの違いもあわせてご覧ください。

5. 費用は「作るとき」と「持ち続けるあいだ」を分ける

ホームページの費用でよく分かりにくくなるのが、最初に一度かかるお金と、持っているあいだずっとかかるお金が混ざって語られることです。ここを分けて見ると、比較しやすくなります。

  • 作るときの費用:制作費。依頼する場合にかかります
  • 持ち続けるあいだの費用:サーバー代・ドメイン代、作成サービスの利用料など。作り方によって、必要な費用は変わります
  • 月額の管理費:制作会社に保守や更新を任せる場合にかかります
  • 修正の費用:文章や写真を変えるときの作業代

個人事業主の場合、毎月の固定費をどこまで増やすかは特に慎重に考えたいところです。ほとんど更新しない予定なら、月額の管理を最初から付けず、必要になったときだけ修正を頼む形でも足りることがあります。

費用の内訳や相場の考え方については、ホームページの維持費・管理費はいくら?で詳しく整理しています。

6. 受け皿として、最低限入れておきたいもの

ページ数を増やすことが目的ではありません。調べに来た人が、判断に必要なことを確認できる——それが受け皿としての最低条件です。具体的には、次のような情報です。

  • 事業内容(何をしているか。専門としている分野)
  • 料金の目安(金額を出せない場合は、何によって変わるかの考え方だけでも)
  • 連絡先と、連絡してからの流れ
  • 所在地または対応エリア
  • 事業者としての情報(屋号・代表者名など)

特に料金は、書くかどうかで迷う方が多い項目です。金額を出しにくい事業もありますが、その場合でも「何によって金額が変わるのか」だけ書いてあると、相手は問い合わせの判断がしやすくなります。

また、商品を通信販売する場合など、事業の形態によっては法律上の表示が必要になることがあります。ご自身の事業が該当するかどうかは、事前に確認しておくと安心です。

載せる内容については、小さなお店のホームページに載せる内容とは?でも整理しています。

7. 実際の形を見てみる

文章だけではイメージしにくいと思いますので、実際の形をご覧いただくのが早いかもしれません。和良屋では、業種別のサンプルを公開しています。

業種は違っても、「何をしているか・いくらか・どう連絡するか」を整理して見せるという組み立ては同じです。ご自身の事業に置き換えて、どんな情報が必要そうか考える材料にしていただければと思います。

8. 和良屋の場合

和良屋は、神奈川県川崎市で、小規模事業者や個人の事務所向けのホームページ制作をしています。

  • 買い切りです。制作費をお支払いいただいた後、和良屋への月額管理費はいただいていません
  • サーバー代・ドメイン代などの実費は別途必要です
  • 公開後に文章や写真を変えたいときは、そのつど修正を承ります

必要以上にページ数を増やすのではなく、「調べに来た人が知りたいことが、ちゃんと載っている状態」を作ることを目的にしています。数を増やすより、必要なことが整理されている方が、受け皿としては機能すると考えているためです。

料金やプランについては料金プランをご覧ください。

9. よくある質問

SNSをやっていれば、ホームページは要りませんか

SNSで足りている方もいます。判断の目安は、「料金や営業時間のような変わらない情報を、お客さんがすぐ見つけられる状態になっているか」です。プロフィール欄に収まっていて困っていないなら、いまは必要ないかもしれません。逆に「前に載せた投稿が探せない」と感じているなら、受け皿を作る意味があります。

Googleマップに登録していれば十分ですか

Googleマップは「見つけてもらう」段階でとても有効です。ただ、載せられる情報の量と形式に制限があります。マップで見つけた人が「もう少し詳しく知りたい」と思ったときの行き先として、ホームページが使われることになります。

開業したばかりで、載せる実績がありません

実績がないうちは、「これから何をする事業なのか」「どんな考えで始めたのか」を書くことになります。実績の代わりに、事業内容・料金の考え方・連絡先がはっきりしているだけでも、調べに来た人にとっては十分な材料になります。

自分で作るのと、頼むのとで迷っています

時間が取れるかどうかが一番の分かれ目です。文章を考えて写真を用意する作業は、慣れていないと想像より時間がかかります。事業の立ち上げ期でそこに時間を使えるのか、本業を優先したいのか——そこで判断されるとよいと思います。

和良屋では、月額管理費なしの買い切り型ホームページ制作を行っています。Entryプランは29,800円から。サーバー代・ドメイン代などの実費は別途必要ですが、和良屋への月額管理費を増やさずに、事業の基本情報を整えたい方に向いた制作プランです。

まずは、実際のサンプルを見てみませんか

実際の制作サンプルで仕上がりを確認いただけます。
プランや費用のご相談は、無料でお受けしています。